M3・ボーマスとは

同人音楽即売会は、CDやダウンロードカードといった形で自分の楽曲を直接リスナーに手渡せる場です。配信サービスだけでは得られない、対面での反応やつながりを求めて出展する制作者が増えています。数ある即売会の中でも代表的なのが「M3」と「ボーマス(THE VOC@LOiD M@STER)」です。この記事では両イベントの基礎知識と、出展までの具体的な流れをまとめます。

なお、開催日・開場時間・入場料・会場・スペース料金・申込期間といった開催回ごとの詳細情報は、回を重ねるたびに変更される可能性があります。この記事では過去の実績として知られている情報と、変動する可能性がある情報を区別して書いていますが、参加を検討する際は必ず各イベントの公式サイトで、自分が参加する回の最新の要項を確認してください。

M3とは何か

M3は音系・メディアミックス同人即売会と呼ばれるイベントで、M3準備会が主催しています。第1回は1998年に開催されたとされており、以降は春と秋の年2回、東京流通センター(TRC)を会場として続けられてきました。ジャンルはボーカロイド曲に限らず、インストゥルメンタル、シンセサイザー音楽、環境音楽、劇伴、同人ゲームのサウンドトラックなど幅広く、参加サークルの音楽性も多様です。

一般来場者として参加する場合の入場料や開場時間、会場の詳細(展示場の番号など)は、開催回ごとに告知される内容に従う必要があります。過去の回では入場料が有料で設定され、当日券と前売券が用意されたことがありますが、金額や販売方法は変更されることがあります。チケットの購入チャネルや入場時の運用(リストバンドの種類による入場開始時刻の違いなど)も開催回によって変わることがあるため、参加する回が近づいたら必ずM3公式サイト(m3net.jp)の一般参加案内を確認してください。

ボーマスとは何か

ボーマスは正式名称を「THE VOC@LOiD M@STER」といい、ケットコムが主催する即売会です。名前の通りVOCALOID・CeVIO AI・UTAUなど音声合成ソフトを用いたオリジナル曲の頒布に特化しており、M3がジャンル横断型であるのに対し、ボーマスは「歌声合成音楽」というテーマに絞られているのが特徴です。回を重ねて開催されており、東京都内の会議室施設などが会場として使われてきた実績があります。

具体的な開催回・日付・会場・入場料はイベントの回ごとに設定が変わるため、この記事では具体的な数値や次回の開催情報を記載しません。参加を検討する際は、必ず公式サイト(ketto.com/tvm/)でその回の最新情報を確認してください。

M3とボーマスの違い

両イベントを比較すると、次のような違いがあります。

  • 主催
    • M3:M3準備会
    • ボーマス:ケットコム
  • ジャンル
    • M3:音系・メディアミックス全般
    • ボーマス:音声合成ソフトを用いた楽曲
  • 開催頻度
    • M3:年2回(春・秋)
    • ボーマス:回を重ねて開催
  • 会場
    • M3:東京流通センター
    • ボーマス:都内の会議室施設等(回により異なる)
  • 第1回開催
    • M3:1998年
    • ボーマス:ボカロ文化の広がりとともに開始どちらも音楽同人誌即売会というくくりでは共通していますが、リスナー層や集まるサークルの傾向は異なります。自分の楽曲がどちらのジャンルに近いか、あるいは両方に出展して客層の違いを比べてみるかは、活動方針によって選び分けるとよいでしょう。

サークルとして出展する流れ

一般来場ではなく、自分の作品を頒布する「サークル参加」を考える場合、大まかな流れは次のようになります。

  1. 公式サイトでサークル参加要項を確認する
  2. 申込期間中に参加申込を行う
  3. スペース料金を入金する
  4. 当落・配置発表を待つ
  5. 当日に向けて頒布物と設営物を準備する
  6. 当日、指定されたスペースで頒布を行う

M3のサークル参加

M3のサークル参加は、開催の数か月前に申込期間が設けられるのが通例です。応募多数の場合は抽選となり、当落・配置は開催の1〜2か月前をめどに発表される流れが続いてきました。具体的な申込期間・当落発表日は開催回ごとに公式サイトで告知されるため、参加を予定している回の告知を必ず確認してください。

スペース料金はブースの大きさ(ダブル・シングル・ミニなど)やカタログのみの参加といった区分によって段階が分かれており、入金方法はクレジットカードや郵便振替など複数の選択肢が用意されてきました。金額は改定されることがあるため、最新の申込要項に記載の金額を確認する必要があります。申込にあたってはサークル代表者の本名登録が必要になる点も押さえておきましょう。

成人向けの頒布物がある場合は、申込時にその旨を明示する必要があります。未成年への販売は禁止されており、当日は成人向け表現の頒布物を袋詰めにするなどの対応が求められます。

ボーマスのサークル参加

ボーマスのサークル参加費は回によって変動しますが、過去の実績では1スペース・2スペース・Wスペースといった区分ごとに異なる金額が設定されたことがあります。申込は公式サイトの申込フォームから行い、支払いは銀行振込またはクレジットカード決済に対応してきた実績があります。

参加資格としては、VOCALOIDやCeVIO AI、UTAUなど音声合成ソフトを用いたオリジナル曲のCD等の頒布物を制作・頒布することが条件になります。頒布物については二次創作ガイドラインの遵守、著作権・商標権を侵害しないこと、そしてサークル間での物品交換の禁止など、独自のルールが定められています。成人向け頒布物がある場合は18禁区分での申込が必要です。

参加費・申込期間・当落発表の時期はいずれも開催回ごとに変わるため、最新の要項は必ず公式サイトで確認してください。

出展にあたって準備するもの

サークル参加が決まったら、当日までに準備しておきたいものを整理しておきましょう。

頒布物本体

  • CD、DVDなどの物理メディア(プレス発注か手焼きかを早めに決める)
  • ダウンロードカードやシリアルコードなどのデジタル頒布手段
  • ジャケットやライナーノーツのデザインデータと印刷物

物理メディアをプレスに出す場合は、原盤の入稿から納品までに一定の日数がかかります。当落発表から当日までのスケジュールを逆算し、余裕を持った発注が必要です。特に初めてプレス業者を利用する場合は、入稿データの形式や納期の目安を事前に問い合わせておくと安心です。

ブース設営に使うもの

  • テーブルクロスやディスプレイ用の布
  • ポップやポスターなどの告知物
  • 見本を並べるためのスタンドや什器
  • 名刺やSNSアカウントを案内するカード

設営物は一度そろえてしまえば次回以降も使い回せるものが多いため、初回は多少コストをかけてでも見やすいブースを作っておくと、以降の出展が楽になります。

当日の運営に使うもの

  • 釣り銭(小額紙幣・硬貨を多めに用意)
  • 会計用のメモや売上管理表
  • 値札やPOP
  • 手荷物や在庫を保管する袋・箱

売上管理表は、頒布物ごとに何枚売れたかを記録しておくと、次回の頒布数を決める際の参考になります。完売と大量の余りのどちらも避けたい場合、初回は控えめな数量から始めて、次回以降に実績を見ながら増やしていくという考え方もあります。

事前告知の準備

即売会は当日ふらっと立ち寄った人に見つけてもらうだけでなく、事前にSNSなどで頒布物の情報を発信しておくことで、目当てに来てもらいやすくなります。試聴用の音源を短く公開したり、ジャケットデザインを先出ししたりするなど、告知の仕方は工夫のしどころです。

告知のタイミングとしては、当落発表の直後にスペース番号とあわせて頒布予定の作品を告知し、開催直前にもう一度リマインドとして発信するという二段構えが取りやすいパターンです。試聴音源は全曲を出す必要はなく、代表曲のさわりだけを公開する形でも十分に興味を引けます。

出展を成功させるために意識したいこと

初めて出展する場合、頒布物の完成度だけでなく、当日の立ち回りも重要になります。スペースの前を通る人に声をかけるかどうか、試聴機を置くかどうか、隣接するサークルとどう交流するかなど、細かな判断の積み重ねが当日の手応えを左右します。

隣接サークルとの交流は、単なる雑談にとどまらず、お互いの頒布物を交換して聴き合うきっかけにもなります。同じ即売会に出展しているという共通点があるため、SNS上でつながるよりも話しかけやすい面があります。当日の会話から次の共同制作や、別イベントでの共演が生まれることも珍しくありません。

また、即売会は単発のイベントで終わらせず、継続的な活動の一環として捉えるとよいでしょう。頒布した相手がSNSで感想を発信してくれることもありますし、次回への申込のタイミングを逃さないためにも、参加後に振り返りをしておくことをおすすめします。振り返りの際は、どの曲が試聴で足を止めてもらえたか、どのタイミングで完売が近づいたかといった当日の反応を書き残しておくと、次回の頒布数や告知方針を決める材料になります。

即売会に向けた頒布物制作は、作詞・作曲・編曲・ミックスといった複数の工程を、限られた期間の中で進める必要があります。マイグル2は、こうした個人の楽曲制作者が制作の進行を管理し、共同制作者とのやり取りを整理するためのサービスです。即売会という締切のある目標に向けて制作を進める際の一助として、関心があれば覗いてみてください。